大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)451 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人江川甚一郎の上告理由第一点について。

所論は、原判決に理由齟齬の違法があると主張する。しかし原判決挙示の関係証

拠特に証人Dの証言によれば、a駅貨物係たる同人は被上告人と上告人との両名が

同駅に同道して来て、被上告人から塊炭は上告人に渡してくれとの申し出があつた

のでこれを諒承し、上告人に一車分の塊炭を引渡し、出荷証明書その他は被上告人

に引渡したこととして処置したものであつたことが認められ、原審の事実認定は、

その趣旨であることが判文上認められるから、原判決に所論のような違法ありとす

るに足りない。

同第二点について。

所論は、原判決に理由不備の違法があると主張する。しかし原審は係争の塊炭に

つき実質上被上告人が割当配給を受けその処分権を有するものであることを認定判

断していること判示に明らかであつて、挙示の証拠によればその認定は首肯するに

足りる。原判決に所論のような違法はない。

同第三点について。

所論は統制法規の違背を主張するけれども、被上告人の本訴請求は金員返還契約

の履行を求めるものであり、その契約の原因となつた給付が所論の如く経済統制法

規に違背したものであつたとしても、特段の事由のない限り右違背の一事をもつて

右返還契約自体を無効と解すべきでないことは当裁判所の判例の趣旨とするところ

である(昭和二八年一月二二日第一小法廷判決、民集七巻五六頁以下。同年四月一

四日第三小法廷判決、同年九月二三日第三小法廷判決、民集七巻九六九頁以下。同

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年五月八日第二小法廷判決、民集七巻五六一頁以下。等各参照)。されば所論の点

について原判決の当否を判断するまでもなく、所論は採用できない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致で主文のとおり判

決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

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